入試対策 数学

今回は数学の入試対策について書きます。


まず、数学は、偏差値が60くらいまでの高校を狙う生徒にとっては一番狙いやく、逆に偏差値60以上の高校を狙う生徒にとっては最も取りにくい教科です。



なぜこの現象が起こるのか。



それは、途中から問題の難易度が一気に上がるからです。


正答率70%以上の取りやすい問題と、10%以下の取りにくい問題がはっきりしています。


だから、素点で60点くらいまでは比較的簡単に取れるのですが、80点を越そうと思うと相当難しくなります。


なかでも、確率と関数と空間図形。


この3つの一番最後の問題は6点問題なのですが、これが難しい。


正答率1%を切る年もあります。


だから、6点×3問で18点。



ここが取れないのでそもそもの最高点が82点からスタートしている、という年もあったります。



なので、数学で合格してやろう。


こう考えている生徒の皆さんは注意してください。



数学は偏差値70を超すのが一番難しいです。間違いなく。



もちろん、得意な人には狙ってほしいですし、当然100点を取るつもりで勉強しますが、志望校や他の教科の勉強との兼ね合いで捨てることもとても重要です。



それを踏まえた上で大問別に解き方を見ていきましょう。















まず大問1,2について。


ここは本当に取りやすいです。この2つの大問は満点取れます。


しあも、なるべく早く満点を取りましょう。



超高速で満点を取る。これが目標です。





勝負は大問3からです。

大問3で受験生が苦手なのは、関数連立方程式の文章題でしょうか。

ただ、ここも予想できる問題です。

難しいのは、xを指定してくるところです。こちらが勝手にxを指定するのではなく、何をxにするかを指定してきます。そして、式も書く必要があります。だから、式を作るときには、xを何にするかを常に明確にし、複数の式を作れるように練習しましょう。


また、この大問で面積比の問題を出してくることが多いです。これが結構難しいです。


さらに嫌なのが、動点問題でしょうか。点を動かして考える問題が出題されますが、場合分けが必要になると正答率は大きく下がります。ただ、正答率が下がってもここは解ける問題です。偏差値60以上を取るには何とか満点か1ミスで駆け抜けたいです。



ちなみに、この単元で気を付けることとして、標本調査が上げられます。高校受験の入試問題は大学受験の共通テストの影響をかなり受けます。今、大学受験の数学では統計・確率の問題の比重が高まっています。



となると、箱ひげ図や標本調査の問題が出題される可能性は非常に高いです。問題の形式が変わることも想定して勉強しましょう。




そして、勝負の

大問4,5,6


中でも、それぞれの大問の最後意外の問題。ここが勝負です。

一番最後の問題は、みんな取れないので勝負にはなりにくいです。実際はそれ以外が満点取れるかが重要です。



しかし、ぜひ取ってほしい。この最後の3問。

正直、時間切れを起こすのなら取り組むべきではないですが、それでも解くすべはあります。


キーワードは、「逆算」


またかよ!


という話しですが、(笑)入試問題で0から本当に解放を思いつくとかは無理だと思っています。

いつも話すように、入試の難問は1つ1つは凡庸な解放を複数組み合わせることで難易度を上げています。

だから、ある問題に含まれている解放を見抜き、その各解放を理路整然と並べることができれば解くことができるのです。

この分析と解放の「実行」→(時間もないのでテクニックも必要です)、これを授業で教えているわけです。



数学でわからない問題が出たときの解析方法は、次の3つです。

①具体的な数字で考える

②いくつかの要素に分解する

③解法の仮説を立てる




①の具体的な数字で考えるというのは、とにかく書き出すということです。数学の難し差の一つが、xという文字で考えなければいけないから、というのがあります。


逆にいえば、文字だからわかりにくいので、具体的な数字を代入して考えてみましょう。


これが数学の基本の書き出し、です。


特に確率に関して。確率では変に法則を見つけようとしないで、まず書き出した方がいいです。特に神奈川の確率の問題はさいころ2つである場合がほとんどです。だから、36個書けば終わりです。


36こであれば余裕で書けます。まず書き出し、書いている中で法則がわかったら法則を使う、という方が実は効率がいいです。




関数に関しては、手順が多いだけで出してくる問題のパターンはほぼ決まっています。この点は授業で触れてきた通りです。



ただ、最後の面積比の問題は、


等積変形+相似比とか


三平方の定理+中点とか


複数の定理を組み合わせて出題されます。


多いときは、4つか5つの解法が組み合わさっているので、どの解法を使われているのか仮説を立て、さらに分解し各解法を実行、そして解法から出した答えを論理的に並べて計算する、という「精密かつ高速な思考」が必要になります。これは練習なくしては無理ですが、1つで6点問題です。あてられるとライバルに大きく差をつけることができます。




最後に空間図形です。


空間図形の解き方は基本的に下記の手順です。


まず、空間図形は平面で考えることが重要です。3次元の空間図形を2次元の紙で考えるから難しい。だから、まずは空間図形を何とかして平面に持っていきます。



平面に持っていくための手法としては

・切断

・展開

・圧縮(投影)

の3つです。


(詳しくは授業にて話しましたね?)



そして、平面にした後で、


①合同・相似・三平方の定理


②特別な多角形(正三角形、台形など)・円の性質(円周角の定理)


③面積・体積の関係 → 方程式・等積変形


の3種類の解法を順に検証していきます。


この時、「今回は相似使いそうだな、とか、円周角じゃないかな」とか仮説を立てる必要がありますが、この仮説の立て方は問題を解くほどうまくなってきます。


(これが数学の勘というやつです)


つまり、数学の問題を解いているときに頭の中では、


この問題は解法Aかな、いや、ダメだからBにしよう、


みたいな感じで解法の仮説検証が行われているのです。



まとめると、


条件を整理し(具体的な数字を代入したりして分析します)設定を理解。この時に指定されている条件から使いそうな解法を用意しその解法で解けるかを検証していく。

検証の際に、複数の解法に分解できる場合がほとんどなので、求めたい辺の長さや面積から逆算で、必要な情報を整えていく。



これが数学における「考える」ということです。




この力をぎりぎりまで鍛えていきましょう。