入試対策の心得え3 国語

神奈川県の高校受験に関して、



次は国語です。






国語は、


大問1

漢字・俳句・詩

大問2 小説


大問3 論説文


大問4 古文


大問5 資料読み取り


です。



神奈川の国語でもっとも重要なことは、時間切れを起こさないことです。

全国高校入試問題正解を解いて気づいたと思います。

そうです、神奈川の国語は日本でもトップレベルに長いです。ちんたらやると時間切れを起こします。



とにかく


「スピード、スピード、スピード」



僕がいちいちスピードを話してくる理由がわかってもらえたでしょうか?


ちなみに、各大問の理想の時間配分です。


大問1 5分

大問2 12分 きつい

大問3 15分 きつい

大問4 7分 重要

大問5 10分 重要



これで、49分。


1分しかあまりません。

最初の漢字と詩についてはほとんど差はつきません。


知っている問題は秒殺、知らなければスルー、これで進めますがそれでもだいたいの人が5分、速ければ3分でしょう。

(詩や短歌の問題は意外と考え込んでしまいます。素早い判断が重要です)



大問の2と3は時間的に相当きついと思います。あの分量を15分かけずにやるのは簡単ではありません。


そして、当然ですが

読むスピードを速くすれば正確さは微妙になります。


だから、大事なのは、大問の4と5をいかに速くするかです。



ちなみに、僕は古文を3分で読めます。わー!先生すごい!とか言ってほしい訳ではなく、古文は知識が有ればこれくらい余裕なのです。選択肢もほとんど紛らわしくないため読めれば終わりです。


だから、古文をいかに速く解くか。これが一つ目のポイントになります。



また、最後の作文についても、速くできると思います。遅い人は書き方がわかっていません。この書き方は、、、


そうです!これもランキングテストで練習していますね?


普通の人は

古文10,作文10とかかかる可能性がありますが、みやうち塾・こだなか塾の皆さんはこの2つを

5分。



5分で終わらせる。



これが目標です。


そして、余った時間で小説・論説文を丁寧に読みましょう。丁寧に読めは満点取れると思います。




ちなみに、スピードについて話しましたが各単元別の勉強の仕方についても書いておきます。



まず漢字ついて。ここもただ覚えるだけな気がしますがそんなことはありません。


音読み、訓読みの区別はついていますか?


部首は言えますか?


象形文字、指事文字、会意文字、形成文字の区別はつきますか?


漢字に関しては、意味も理解しながら勉強することで、読解力向上にも当然生きてきます。単なる暗記でなく常に頭を使う意識。日頃の小さな差。これが本番でも大きな差につながるのです。




次に小説に関して。


小説に関しては、


状況整理と感情把握。


この二つの分析力が重要になってきます。



入試の小説というのは、本来はもっと長い文章の一部分だけを切り抜いて作られています。


これは、映画のワンシーンを突然見せられているのと同じことです。英語を途中からみて意味わかりますか?


例えば、金曜ロードショーで風の谷のナウシカがやっていたとしましょう。


最後のシーンで、巨神兵が破壊光線みたいなのを発射している場面に来ました。


その時、当然妹か弟かが後ろからやってきて、この怪獣なに?


とか聞かれたらどう思いますか?


おいおい、初めから見ろよ、と思って説明するのも面倒だと思います。


しかし、小説において皆さんは、このナウシカを途中から見る弟なり妹と同じ立場で文章を読み、高度な問題に答えなければいけないのです。


これが小説の難しさです。


何かよくわからないけど、火を噴く怪獣がいるな。そして、この怪獣とイモムシが対決してるんだな。主人公っぽい女の子はイモムシの見方で、パッとみ悪そうなやつらが怪獣の見方だな。


もちろん、悪そうに見えて実はいいやつの可能性もあるから、完全に悪役と決めつけるのはやめておこう。あくまでも過程の話だ。



と、こんな感じで、なるべく自分の感情をいれずに、あくまでも書いてある事実からわかることで設定を理解していきます。




そして、問題を解きます。この時のポイントは、問題を作った筆者ではなく、問題を作った問題作成者の気持ちを考えることです。



よく、小説を書いた筆者に、傍線部①を書いたときの気持ちは?とか聞くと、


「眠かった」とか、「締め切りがやばかった」とか答えることがあるそうです。


ただ、これはナンセンスです。というのも、筆者の気持ちを読む解くのが小説ではないからです。


筆者の気持ちなんて筆者にしかわからいので問題にしても意味はありません。重要なのは、問題を作った問題作成者が、この文章をどう読んだか、です。


そして、本文に書いてあることから、この筆者の解釈は妥当だといえるな。

いや、これは言いすぎだな。過大解釈だな。


というのを本文と照らし合わせながら確認していきます。


神奈川の国語では記述問題はないので、筆者の解釈を一つ一つ照らし合わせる作業。この練習で勝負は決まります。


まとめると、


素早く設定を理解し、選択肢吟味を丁寧に行う。


これが本番での読み方になります。



ここまで読んで、僕が最初に書いたことを覚えてますか?


最初、小説は状況把握と感情把握。これが重要だと書きました。


状況把握に関しては、本文の状況を把握する設定理解と、選択肢の状況を把握する選択肢吟味。この二つのことを指しています。



では、感情把握とは何なのか。これは、登場人物の感情が変わる表現を確認することです。


大事なのは、感情は「移入」するものではなく「把握」するものです。


国語の文章を読んで本文に感情移入すること。これは重要だと思います。やはり感情移入できた方が本文は頭に入ってきます。


しかし、その感情移入したままの状態で本文を読むと、自分の思い込みにつられて客観的な問題処理ができなくなってしまいます。


問題を解くときはあくまでも、これは誰が読んでも言えるな、という選択肢を解答として選ぶ必要があります。



だから、本文に感情移入するのではなく(してもいいですが)一歩下がった位置から本文を俯瞰視し、感情を「把握」する必要があります。



この時、ヒントになるのが

・形容詞、形容動詞

・副詞、比喩表現

・象徴となる出来事


この3つです。形容詞や形容動詞はそのまま感情を表しています。


副詞は、「せわしなく」とか「ギラギラと」といった表現で、「せわしなく」とあれば落ち着かない様子が思い浮かびますし、「ギラギラと」と書いてあれば怒っているのか戦っているのか、少なくとも落ち着いていない様子であることはわかります。



最後の象徴ですが、例えば、喧嘩していた二人がいました。しかし、二人が仲直りをして、その二人の間を爽やかな春の風が通っていきました、みたいな表現があれば、


二人が仲直りして関係がうまくいくことが暗示されていると言えます。



この感情を表す表現に関しては、問題にしやすいです。当然ですが、全く変化がない場合は問題を作りにくです。だから、意図的に、感情が変化したり事件が起こる場面を問題として出題しています。



そこを逆手にとって、感情の変化を先に把握し、どんな問題が来るのか把握しながら読んでいきましょう。



論説に関しては、本文に書いてある内容を自分の言葉に言い換える力。これがすべてです。


といっても、これが難しいのですが、、、



では、どうすれば自分の言葉に言い換えられるのでしょうか。


本文をどれだけ理解できているのかを測る最もわかりやすい手法は、要約を見ることです。

要約ができていれば基本的に読めています。


では、どうすれば要約ができるのか。この質問に答えることは容易ではなきですが、読解のときに気負つけるべき5つの型を紹介させていただきます。



まず1つ目は、形式段落ごとに新情報か旧情報かを見極める、ということです。文章に書いてあることである以上、必ず意図があります。当然本文の内容に関係ないことが書かれているなんてことはあり得ないです。


はい、ではここまで書いたことは関係ありません。別の話に移ります。なんてことにはならない訳です。


だから、何かしら前の段落、そして後の段落につながっている訳です。では、どうつながっているのか。



授業ではいつも、「=、⇔、⇒、+」の4つの記号を使って段落の関係性を整理しています。


しかし、人間はそこまで論知的ではないので、4つの記号が混ざりながら文章が展開されることはよくあります。そこで、ここまで厳密でなくてもとりあえず、同じことをいっている(旧情報)か新しいことを言っている(新情報)か。これについては正確に見極められなければなりません。「=」(相同表現)なのか、それ以外(⇔、+、⇒)なのか。ここに注目することで、段落ごとに文章を把握していきましょう。




2つ目は、形式段落ではなく意味段落を追え、というものです。そもそもなぜ形式段落と意味段落があるのか不思議に思ったことはありませんか?

形式段落は意味のまとまりで文章を区切ったものです。それならば、形式段落=意味段落になるはずです。なぜなら、意味のまとまりで文章を区切っているからです。しかし、実際は形式段落と意味段落は二つあるのです。なぜなのか。理由は、書き手の論理構造と読み手の論理構造はずれるからです。


形式段落はあくまでも書き手の論理構造です。書き手も完璧に論理構造を把握することはできません。だから読み手からすると、「ここって段落分ける必要はなくない?」とか、「ここは二つにわかれるよね?」といった疑問が浮かぶ場合は普通にあります。


そんなときは形式段落ではなく意味段落で文章を把握しましょう。文章を自分の言葉に言い換えることが目標です。だから、書き手ではなく読み手の基準で判断して構いません。



3つ目は、後半の内容で前半の段落のつながりは変わる、というものです。段落というのはあくまでも長い文章の1パーツです。ミクロな細かいつながりより、全体のマクロな流れ

の方が遥かに重要です。最初の段落では、まだ、ミクロなつながりしか見られていません。だから、後半の段落を読むことで視点がよりマクロになり、最初に把握していた段落の役割が変わることがあります。

この場合は、変わることは普通にあると思って全体の流れから段落の役割を再定義しましょう。




4つ目は、思い切った例示をして、本文をモデル化する、というものです。読めるというのは、本文を自分の言葉に言い換えることだと書きました。そうであるならば、文章の解釈は当然、自分の持っている言葉や体験の範囲に限定されます。つまり、本当の意味で客観的に読む、というのは無理なのです。なぜなら、その人が持っている体験や語彙というのは完全に人によって異なるものであり、全く同じということはあり得ないからです。


人は主観的にしか解釈できない、といっても間違いではないでしょう。


しかし、主観的であることは問題ではなく、むしろ主観的にしか問題を理解できないので、徹底的に主観的に読めばいいと思います。その時に、本文をシンプルに表す例を、自分の体験から考えてみてください。


これはドンピシャだな、とか、これはちょっと違うかな、とか考えていくうちに、本文の内容が把握できてきます。


そして、主観的に把握した後で、自分の感想を排除し、本文に書いてあることから妥当と言える解答を導けばいいのです。



5つ目は、段落が変わるごとに段落のつながり(=、⇔、⇒、+)を予測し仮説を立てる、ということです。人は話を聞くときに、相手が何をいうのか、ある程度予測を立てながら読んでいます。だから、想像もしないことを言われるとびっくりするわけです。読むときも同じで、次の段落がどのように展開されるのか、必ず予測しましょう。自分なりに仮説を立てることで、次の段落が仮説通りかそうでないかの2択で考えられるようになります。

これによって、話の筋を追いやすくなるのです。





以上

新旧の見極め

意味段落を追う

マクロな視点

思い切った例示

仮説を立てる


おの5つの力を授業では身に着けていきます。







古文


古文は、高校受験の問題は中途半端だと思います。というのも、学校ではそこまで読み方を勉強しないのに、そこそこに難しい問題を出してくるからです。きちんと理解するには高校の初級くらいの知識がなければ読めません。


しかし、ほとんどの生徒は高校レベルの内容まで勉強していないはずです。逆に言えば高校レベルまで勉強することで他の受験生の差をつけることができます。ここは塾なので別に学校の範囲に合わせる必要はありません。あくまでも受験当日に他の受験生に勝てるのか。この視点で勉強していけばいいのです。


そこで古文の高校者級レベルまで勉強しますが、では高校初級レベルとはどのレベルなのか。それは、次の文法がわかるレベルです。



助動詞 「ず・む・ぬ・ね・じ」


助詞 「て、に、ば」


敬語「給う、候う、侍る、奉る」(尊敬と謙譲の意味も把握)


とりあえず、これらの助詞・助動詞・敬語が分かっていれば問題ありません。あとは、次の3つ


1、話し手が誰か理解し状況把握をする

2、ひらがなや読みから漢字を想定する

3、背景知識を使って深く読む


これを磨いて行くだけです。



この3つの力は英語と同じように、何度も文章を精読していく中で身に付きます。



1つの文章を丁寧に分析していきましょう。



最後に説明文の記述問題。ここに関してはランキングテストでの日頃の作文練習で鍛えて行くところです。そこまで深くは書きませんが、毎度来ていくときに、主語述語を意識して文を組み立てる、これをもう一度確認してください。